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JA・組合員活動
養蚕学び地域知る JAおやまが活動支援 「蚕を学ぶ奨励賞」に
2022.01.20
JAおやまは、県内一の生産量を誇る養蚕を子どもたちに知ってもらおうと管内の小学校に稚蚕飼育所で育てた蚕を配布しています。学校に出向いて養蚕の授業を開き、農業への理解と地域貢献につなげています。
小山市立絹義務教育学校は、長年にわたり蚕糸と絹文化の継承に貢献したとして、一般財団法人大日本蚕糸会から「蚕を学ぶ奨励賞」を受賞しました。
また、栃木県連合教育会から「栃木県教育賞」も受賞しました。
「蚕を学ぶ奨励賞」は、蚕糸や絹文化に関する学習を10年以上継続する小学校などに贈られています。
「栃木県教育賞」は、とちぎの教育の発展に取り組み、日々の実践を通じて顕著な教育効果を上げている個人・団体などを表彰しています。
同校は、「ふるさと学習」の一環で、地場産業である重要無形文化の絹織物「本場結城紬(つむぎ)」の生産工程を学ぶ機会を、1~9年生の9年間かけて段階的に学ぶユニークな体験型授業を取り入れています。
絹地区は、かつて養蚕業が盛んで「結城紬」の絹糸の産地として知られていました。地区の文化を学ぼうと旧福良小学校で2012年から始まった「ふるさと学習」の一環で養蚕を取り入れました。
繭は茨城県で開催される笠間稲荷神社献穀献繭品評会にも出品し、1等位・特別賞をはじめ5年連続上位入賞に輝いています。
授業は、養蚕から糸紡ぎ、染色、機織りまで段階的に、体系的に楽しく学ぶよう工夫されています。
1・2年生が蚕の飼育・収繭、3年生が煮繭・真綿かけ、4年生が糸紡ぎ、5年生が絣くくり・墨付け、3年時に作った真綿の染色、6年生は、5年生が染色した真綿を横糸に管巻きして地機織りを体験し、「結城紬コースター」を織り上げます。
さらに7年生は、本場結城紬の着心地を体験し、8年生は、1・2年生が育てた繭を使って9年生への卒業記念品「コサージュ」を製作。9年生は、桑の葉と桑の実を使った「桑の葉まんじゅう」を調理して味わいます。
体験を通じ蚕や繭の魅力、養蚕の意義などを学び、児童にとっては思い深い授業となります。
齋藤真樹校長は「絹という地域、地域の人々があってこその受賞となった。支えてくれる地域の方々に感謝している。養蚕などの活動を通して、自然の偉大さ・不思議さを体験することが児童生徒たちの成長につながっている。今後も絹の伝統的な文化を子どもたちに繋いでいきたい」と話しました。